読者の皆様  "Delicious Space" (美味しい空間)へ、ようこそ。ここでは、イタリアローマの食と旅に関する出来事、素晴らしいワインとの出会い、新しい発見や喜び、その他さんさんと太陽の輝くローマでの様々な出来事など最新情報を皆様に発信していきたいと思います。
また、2015年11月からはOLiVO & La Cantina Cancemi スタッフの最新情報やオリーブオイルソムリエスタッフのオリーブオイルについての話、ワインソムリエスタッフのワインについて語りたい事なども発信していきます。
"Delicious Space" とは、決まった場所ではありません。どこでもいいのです。大好きなおばあちゃん家の台所、いつも行くスーパーの通路、深夜の図書館で猛勉強中に一息入れる際のおやつ、思いがけない不意なキス、薫り高い朝のコーヒー、など。私にとって"Delicious Space" とは、食を通して自分に喜びや感動を与えてくれる空間です。そんな瞬間をこのページを通して、「食の路」を皆様と一緒に旅することを楽しみにしております。
- CANCEMI CORPORATION-
live. love. OLiVO.


Readers:
It gives me great pleasure to welcome you to this blog, a "delicious space" where I look forward to sharing tales of food and travel adventures, romances with wine, new discoveries and delights, and everything else under this splendid Roman sun.
A "delicious space" may be anywhere; your grandmother's kitchen, a supermarket aisle, a midnight snack in the college library, a stolen kiss, a freshly brewed pot of coffee. To me, a "delicious space" is anyplace where a meal evokes an emotion that brings joy and excitement. I hope to share these moments with you through this blog and invite you to join me as I navigate the glorious culinary paths of my life.
- tc -
live. love. OLiVO.

バルサミコセミナー
昨日、在日イタリア商工会議所で行われたバルサミコ酢セミナーに参加してきました。
テーマは『バルサミコとフルーツの合わせ方』。
バルサミコ酢プロのテイスター、クリスティアーノ・デ・リッカルディス教授よりバルサミコの歴史などいろいろ学びました。
せっかくバルサミコ酢のいいお話が聞けましたので、弊社イタリア支社長ティーナさんが生産者の元で聞いた話などと交えバルサミコについてまとめてみました。




・酢とその歴史、モデナ、レッジョで作られる伝統的なバルサミコ酢についての見解

モデナの伝統バルサミコ酢“アチェート・バルサミコ・トラディツィオナーレ・ディ・モデナ”はモデナ地区内スピランベルトで生まれ、バルサミコの美術館もあります。町の中心であるスピランベルトはパダーニャ丘より下にある町。5キロ離れた所に丘があり涼しい風を運び温度と湿度の差が出やすいこの土地がバルサミコ酢を造ることにとても重要だそうです。
冬は厳しい寒さで不純物が樽の底に鎮まり溜まり、夏は40℃にもなる気温の中で、酵素が勢いよく働き蒸発し、風通しがよい屋根裏に寝かされ熟成を重ねます。このような気候条件が適切であるモデナ地区とレッジョ・エミリア地区で造られたものだけが「バルサミコ酢」と名のることができるということです。
原産地管理呼称法(D・O・P)で品質がきびしく守られており、モデナ地区で生産された葡萄果汁を濃縮し、伝統的な製法のもとに生産されたものは
Aceto di Balsamico “Tradizonale” (アチェ―トディバルサミコ “トラディショナーレ ”とその名を語ることが許され熟成期間も12年以上と定められております。
バルサミコ酢の歴史は11世紀初めとされ、疲労回復など薬として使用されていたこともあったそうです。
1800年バッテリーアという樽を使って造りはじめは1800年中ごろに細菌学的にもバルサミコを造る工程で必要とし研究され、またキャンドルの炎でテイスティングの色を確認するなど1800年代はバルサミコ酢にとって重要な年であったとクリスティアーノ・デ・リッカルディス教授が力強く話しておりました。
博覧会にあわせてエッフェル塔が建設された1889年のパリの万博ではバルサミコ酢が持ち込まれオフィシャル(公式)に世界的に認定され、また有名な作家やイタリアのその時代一番偉いと言われたローマ法王であるレオーネ13世がバルサミコをサラダなどに使っていたと書籍にも残っているそうです。



・原材料について
・モスト・コットとは

バルサミコ酢の原材料は葡萄のみから造られます。
ローマ時代からよく使われている白葡萄、トレビアーノ種と赤葡萄のランブルコ種。トレビアーノ種という甘みの強い葡萄、糖度は低いが酸味が強くさくらんぼのような香りがするランブルスコ種という葡萄です。
伝統的な造り方では収穫した葡萄をお昼くらいから熱し、半量まで煮詰めて酢酸発酵し、夜には圧縮するそうです。圧縮の際には皮に苦味があるため雑味がでないようにやさしく実の形が残るくらいまで圧縮します。
モスト・コット88℃〜90℃蓋をしない大きなドラム缶で4〜8時間煮詰めるとトレビアーノ種で糖度が23〜27%、ランブルスコ種で15〜20%の糖度になるそうです。モスト・コット、加熱する理由として3つ教えてもらいました。
1つは灰汁を取り不純物を除去するため。2つめは煮詰め作業で水分を飛ばし残ったものは甘みと香りが強くなるため。3つめはモストの中に含まれている糖分のキャラメル化だそうです。伝統的な製法で造られたアチェ―トディバルサミコは保存料や着色料は入っておりません。
またOLiVOで取り扱っているバルサミコ酢は、原材料は伝統的なバルサミコ酢と同じように葡萄のみを煮詰め、それを木樽に移し、熟成期間を短くしたものです。熟成期間は5年、8年、10年。アチェ―トディバルサミコ “トラディショナーレ”伝統的と記載はできませんが“トラディショナーレ”同様原材料は葡萄のみです。
葡萄が持つポリフェノール、プロアントシアニジンを含んでおり、その抗酸化作用により酸化防止剤の添加が不要だと生産者が教えてくれました。
また伝統的な生産方法によるバルサミコ酢は高価になりすぎるため、熟成されていない葡萄酢に着色料、香料、カラメルなどの添加物が入った商品が低価格で売っているようです。




・木樽:伝統製法によるバルサミコ酢と非伝統製法のバルサミコ酢に与える物質性質上の影響
・ワイン酢化法、非ワイン酢化法の違い:成熟と熟成

樽はとても重要な役割をしていると話すクリスティアーノ・デ・リッカルディス教授の映像には職人が樽を手で一つ一つ作っていました。
樽が出来上がり乾いた状態でないと使用できないので自然の力で樽を5~6年も乾かすそうです。昔は結婚する際、バルサミコの樽は母から娘へと大切に受け継がれる嫁入り道具の一つだったこともあり、今でも結婚のお祝いに何が欲しいかと両親にバルサミコの樽が欲しいとお願いすることもあるそうです。樽5つで150万円〜200万円するそうで、3代〜5代受け継ぐことができるそうです。樽は木材の種類と大きさが違います。
大きさの違う種類を並べることをバッテリーアと表現するようで樽の特徴として樽の上部が空いています。写真で樽の上に白い布がかかっているのは樽に穴が開けられ、空気が通り、そこから蒸発することができるようです。
一番大きな樽をマードレ(マンマ)と言い、煮詰めていた葡萄はこの樽に入れます。また一番小さな樽を一番価値があると言う意味であるレジーナと言いこの樽の中身を瓶詰めします。
モスト・コットを樽に入れ発酵⇒熟成⇒寝かせと樽の香りを移しながら伝統製法によるバルサミコ酢は造られていきます。
大きな樽で3年〜5年熟成させ次の樽へと入れ替えます。



ホワイトバルサミコ酢は20年前から造られたそうです。
クリスティアーノ・デ・リッカルディス教授の話ではスイスの市場で使うため銅板でキャラメル化する工程を省き、樫の木の樽のみで造られたのが初めだそうです。
OLiVOで取り扱っているホワイトバルサミコ酢はトネリコの木樽に入れ5年と8年の間熟成させた物です。白葡萄であるトレビアーノ種のみを原料とし、時間をかけてゆっくり搾った果汁を煮込まず白いトネリコの木樽で熟成させたものです。


・バルサミコ酢の製造過程、DOPについて

モデナ地区とレッジョ・エミリア地区で造られたものだけが「バルサミコ酢」と名のることができる原産地管理呼称法(D・O・P)。
葡萄の品種や製法、酸度、糖度、熟成期間に至るまで細かい規定が設けられ、品質がきびしく守られています。
優れた熟成場所とされた屋根裏部屋。なぜ屋根裏部屋なのかは寒暖差の重要性です。
レッジョ・エミリア地区が35℃まで上がる夏、その時の屋根裏部屋の温度は45℃〜48℃になります。また冬は6℃〜7℃まで下がるので気温差は40℃強。
教授の話ではエアコンなどの温度差で造ったものと自然との味の違いが出ると言っていました。
細菌学的にもバルサミコで重要なのは年に一度の冬の時期に酵母や酸を作るバクテリアが活躍し、夏の暑い時期には高温で悪い細菌を除去するようです。
酵素を作ることで独特な味や香りになり30種類を超える複雑なアロマが作り出されるそうです。
木樽から木樽へ移し替える時期は各生産者により異なりますが、OLiVOで取り扱っているバルサミコ酢は冬の寒い時期に行うと生産者が言っておりました。



・フレッシュ・フルーツと合わせてバルサミコ酢のテイスティング方法
クリスティアーノ・デ・リッカルディス教授よりセミナーで教わったのは、甘いフルーツほどバルサミコ酢が合うと言うことです。
サクランボや桃にダークバルサミコをかけ、オレンジにオリーブオイルとバルサミコ酢をかけて“インサラータ シチリアーナ”などフルーツによく合いました。
日本のフルーツはなんでこんなに甘いのだと、バルサミコ酢をかけて本当に美味しいと上機嫌でした。クリスティアーノ・デ・リッカルディス教授は日本で70回セミナーをしているようなのですが、初めてのテーマですとフルーツとバルサミコ酢が生み出す新たな味のハーモニーについて学びいい経験ができました。




カンチェーミ・コーポレーション株式会社
CAO 藤田美佳


| バルサミコ | 21:26 | - | -